お葬式での、「供花(きょうか)」「供物(くもつ)」というお供え物をご存知でしょうか。
昨今は、「香典」をお包みする習慣に様変わりしてきましたが、葬儀や法要でのお供え物として、今なお大切な文化として残っています。
宗教や地域性によって異なる部分も多く、最近増えてきている小規模な家族葬では、喪家様が受け取りを辞退するケースもあるようです。
供花・供物の意味や種類、様々な注意点について調べてみました。
供花・供物とは
数十万年前、旧石器時代に生存していたネアンデルタール人の遺体に矢車菊が供えられていたものが発見され、さらに縄文時代のお墓からも多くの植物が供えられていた痕跡があり、死者に花を手向けるという風習は有史以前から弔いの形としてあったといわれています。
また、極楽へたどり着くまでに飢えや渇きに苦しまないよう、食べ物や飲み物を供えるようにもなりました。
故人の霊を慰めるために手向ける花を「供花(きょうか)」、故人の霊を慰めるために飾る品物を「供物(くもつ)」、と呼ぶようになりました。
現在は、通夜や葬儀・告別式のほか、四十九日や年忌法要などで、故人や仏様への敬意と感謝と遺族への弔意の気持ちと共におくるようになりました。
また、極楽へたどり着くまでに飢えや渇きに苦しまないよう、食べ物や飲み物を供えるようにもなりました。
故人の霊を慰めるために手向ける花を「供花(きょうか)」、故人の霊を慰めるために飾る品物を「供物(くもつ)」、と呼ぶようになりました。
現在は、通夜や葬儀・告別式のほか、四十九日や年忌法要などで、故人や仏様への敬意と感謝と遺族への弔意の気持ちと共におくるようになりました。
供花・供物の種類
供花の種類
葬儀の祭壇の脇に飾られている、札付のお花を供花と言います。
祭壇費用や葬儀費用に含まれている供花は葬儀社が準備をしますが、個人や団体様から葬儀社へご依頼をいただき祭壇に飾る、札付きの供花や花輪もあります。
また、亡くなってから早い段階で故人の枕元に飾るためごく親しい方がおくる花を、枕花(まくらばな)と言います。
祭壇費用や葬儀費用に含まれている供花は葬儀社が準備をしますが、個人や団体様から葬儀社へご依頼をいただき祭壇に飾る、札付きの供花や花輪もあります。
また、亡くなってから早い段階で故人の枕元に飾るためごく親しい方がおくる花を、枕花(まくらばな)と言います。
供物の種類
果物や缶詰の詰め合わせの「篭盛(かごもり)」やラクガン(落雁・いわゆる干菓子)、お線香などをお供えする場合が多いですが、これらを供物と言います。
御供花料、御供物料
霊前に供える供物の代わりにお金を包むという意味で、お香典とは別に御供花料、御供物料という表書きで金銭を渡すこともあります。
供花・供物の相場
香典と同様、供物・供花にもある程度金額の相場があります。
ただし、高額のものはかえってご遺族の負担になってしまうかもしれませんので、予算も含め葬儀会社に相談してみると良いでしょう。
・生花→1基約15,000円~ 、1対(2基)約30,000円~
・花輪→1本約10000円~
・大榊(神式)→1対約30,000円~
・篭盛(かごもり:果物や缶詰の詰め合わせ)→1篭約10,000円~
・盛菓子(もりがし:お菓子の詰め合わせ)→1篭約10,000円~
・持参する場合→約3,000円
連名でおくる場合は、その人数に合わせて相場が変わります。
・「兄弟一同」「孫一同」など複数人で供物をおくる場合→約20,000円~30,000円
ただし、高額のものはかえってご遺族の負担になってしまうかもしれませんので、予算も含め葬儀会社に相談してみると良いでしょう。
・生花→1基約15,000円~ 、1対(2基)約30,000円~
・花輪→1本約10000円~
・大榊(神式)→1対約30,000円~
・篭盛(かごもり:果物や缶詰の詰め合わせ)→1篭約10,000円~
・盛菓子(もりがし:お菓子の詰め合わせ)→1篭約10,000円~
・持参する場合→約3,000円
連名でおくる場合は、その人数に合わせて相場が変わります。
・「兄弟一同」「孫一同」など複数人で供物をおくる場合→約20,000円~30,000円
供物をおくるタイミング
供物は、通夜からお葬式を通して祭壇に飾られるものです。そのため、おくるタイミングは通夜の前日か当日の午前中までが適しています。
もし、供物を持参する場合で場所を取るものであれば、事前に喪家か葬儀社にその旨を伝えておくと良いでしょう。
もし、供物を持参する場合で場所を取るものであれば、事前に喪家か葬儀社にその旨を伝えておくと良いでしょう。
供花をおくる方々と飾る順番
供花をおくるのは、故人の近親者や深い関わりのある人が主になります。生花は故人の近親者や友人、花輪(造花)は会社や団体などがおくるのが一般的です。
供花は、下記1~4の順に祭壇の中央近くから飾られます。
1.親族
「喪主」「兄弟一同」「孫一同」「親族一同」などと名札を揚げ、共同で供花をおくるのが主流
です。
2.友人
「友人一同」や連名という形で共同でおくることもありますし、特に親しかった方は個人名でお
くることもあります。
3.故人と仕事上のつながりがある人
故人と仕事でつながっていた場合は、「会社名」もしくは「会社・代表者名or連名」で供花を
おくります。例えば、故人が勤めていた会社の代表、あるいは故人の経営していた会社が得意
先であった場合などが、おくる立場として相応しいでしょう。
4.喪主や遺族と仕事上のつながりがある人
喪主や遺族の勤務先、取引先が供花をおくる場合もあります。その際は、「会社名」「会社・
代表者名」が一般的です。
供花は、下記1~4の順に祭壇の中央近くから飾られます。
1.親族
「喪主」「兄弟一同」「孫一同」「親族一同」などと名札を揚げ、共同で供花をおくるのが主流
です。
2.友人
「友人一同」や連名という形で共同でおくることもありますし、特に親しかった方は個人名でお
くることもあります。
3.故人と仕事上のつながりがある人
故人と仕事でつながっていた場合は、「会社名」もしくは「会社・代表者名or連名」で供花を
おくります。例えば、故人が勤めていた会社の代表、あるいは故人の経営していた会社が得意
先であった場合などが、おくる立場として相応しいでしょう。
4.喪主や遺族と仕事上のつながりがある人
喪主や遺族の勤務先、取引先が供花をおくる場合もあります。その際は、「会社名」「会社・
代表者名」が一般的です。
供花・供物をおくる場合の注意点
葬儀式場によっては、外部業者の持ち込みが不可の場合があります。祭壇に飾るスペースの確保や、バランスや統一感を考慮する必要があるため、おくる前に必ず遺族の確認をとってから指定された葬儀社などを通して手配するようにしましょう。
供物においても、故人の好きだったものを持参することができますが、宗教によってはタブーのものがあるので、遺族や葬儀社に確認し迷惑がかからないようにしましょう。
供物においても、故人の好きだったものを持参することができますが、宗教によってはタブーのものがあるので、遺族や葬儀社に確認し迷惑がかからないようにしましょう。
遺族から供花・供花物を辞退したいとの申し出があった場合
もし、ご遺族である喪家側からご厚志を辞退する旨の通知があれば、無理におくらないようにしましょう。
・「勝手ながら、供花・供物の儀は一切ご辞退申し上げます」
→故人や喪主の意志または喪家の事情によることが多いので、供花も供物もおくらないことで
す。代わりに、香典は持参しても構いません。
・「ご厚志はかたくお断りいたします」
→供花・供物・香典等のすべてをお断りするという意味ですが、念のため、お通夜と葬儀に持参
して様子をみると良いでしょう。
・「勝手ながら、供花・供物の儀は一切ご辞退申し上げます」
→故人や喪主の意志または喪家の事情によることが多いので、供花も供物もおくらないことで
す。代わりに、香典は持参しても構いません。
・「ご厚志はかたくお断りいたします」
→供花・供物・香典等のすべてをお断りするという意味ですが、念のため、お通夜と葬儀に持参
して様子をみると良いでしょう。
宗教別の注意点
供花や供物は、宗教によって違いがありますので注意が必要です。
仏式
・供花・・・白菊、ユリ、カーネーション、コチョウランなどをおくります。派手な色や棘のある花
は避けます。お葬式後におくる場合は、飾りやすいアレンジメントのほうが遺族の負担
になりません。
リボンの色は白、黒、銀などにします。
・供物・・・線香、お香、菓子折り、果物、缶詰、ろうそく、五穀、故人が好きだったものなどをお
くるのが一般的です。肉や魚(殺生を禁じているため)、お酒はNGです。
弔事用の包装紙で包み、不祝儀の水引(青と銀、紫と銀)をかけます。表書きは御霊
前、御供物(おくも つ)、御供(おそなえ)にし、氏名を毛筆か薄 墨の筆ペンで書き
ます。
は避けます。お葬式後におくる場合は、飾りやすいアレンジメントのほうが遺族の負担
になりません。
リボンの色は白、黒、銀などにします。
・供物・・・線香、お香、菓子折り、果物、缶詰、ろうそく、五穀、故人が好きだったものなどをお
くるのが一般的です。肉や魚(殺生を禁じているため)、お酒はNGです。
弔事用の包装紙で包み、不祝儀の水引(青と銀、紫と銀)をかけます。表書きは御霊
前、御供物(おくも つ)、御供(おそなえ)にし、氏名を毛筆か薄 墨の筆ペンで書き
ます。
神式
・供花・・・仏式と同様にします。榊、または白や淡い色の清楚な花をおくるのが一般的です。
・供物・・・果物、和菓子、酒などをおくります。焼香を行わないので、線香、ろうそくなどはおく
りません。仏式とは異なり、神式では海や山の幸は神の恵みとしてとらえる ため、肉や
魚、干物や米、酒をおくっても構いません。
お包み、表書きは御玉串料にします。
・供物・・・果物、和菓子、酒などをおくります。焼香を行わないので、線香、ろうそくなどはおく
りません。仏式とは異なり、神式では海や山の幸は神の恵みとしてとらえる ため、肉や
魚、干物や米、酒をおくっても構いません。
お包み、表書きは御玉串料にします。
キリスト教
・供花・・・白の生花が一般的ですが、カトリック教会では、供花を認めていないことが多いです。
白の花のみの花束やアレンジメントにして、ご自宅へおくります。フルネームを書い
た、カードか名刺などを添えます。
また、地域によってはおくるものが決まっている場合があるため、わからない場合は
地域の葬儀社や喪家に近い遺族に相談すると良いでしょう。
・供物・・・キリスト教では、もともと供物をおくる慣習がありません。
白の花のみの花束やアレンジメントにして、ご自宅へおくります。フルネームを書い
た、カードか名刺などを添えます。
また、地域によってはおくるものが決まっている場合があるため、わからない場合は
地域の葬儀社や喪家に近い遺族に相談すると良いでしょう。
・供物・・・キリスト教では、もともと供物をおくる慣習がありません。
供物を持参する場合
ろうそくや菓子など、あまりかさばらないものは参列時に持参しても構いません。供物を持参する場合は、購入する際に弔事用として包んでもらい、さらに地味な色の風呂敷などに包んで持ちます。受付にて、包みから出して渡します。
その際は、「ご霊前にお供えしてください」などと、一言添えるようにしましょう。
弊社で受付をさせていただいた際にも、お線香やお菓子、お手紙や手作りのものなどを供物として持参された方がいらっしゃいました。その際は一旦お預かりし、葬儀社の方に祭壇に飾っていただいたり、喪主様に報告と同時にお渡しさせていただきました。
その際は、「ご霊前にお供えしてください」などと、一言添えるようにしましょう。
弊社で受付をさせていただいた際にも、お線香やお菓子、お手紙や手作りのものなどを供物として持参された方がいらっしゃいました。その際は一旦お預かりし、葬儀社の方に祭壇に飾っていただいたり、喪主様に報告と同時にお渡しさせていただきました。
供花・供物をおくったときのお香典は?
供花や供物は、故人のご霊前に供えるための花やお供え物です。
つまり、故人のためにお供えするという観点では、香典と同じ意味合いを持ちます。そのため、供花や供物をおくることで、それとは別にお香典も出さなければならないということはありません。
ただし、故人が親戚であったり、生前とくに親しかったりした場合などはお香典も一緒にお渡しするケースもあります。故人を偲ぶ気持ちが強ければ、両方おくっても良いでしょう。
「兄弟一同」などで供物をおくった場合でも、個別にお香典を持参する方が無難です。
地域の慣習によっては、香典にプラスして供花や供物をおくるのが一般的で、供花・供物だけでは失礼にあたるとされているところもあります。
また、御供花料、御供花物料をお香典と一緒に一つの袋で渡すのはマナー違反です。受付や会計での対応に困りますので、必ず御供花料・御供物料はお香典とは別の不祝儀袋に入れて渡す必要があります。
間違えやすい例として、供花を手配した方が「代金をお支払いしたい」と受付にいらっしゃることがあります。その場合は、葬儀社のスタッフの方へご相談いただくと良いでしょう。
つまり、故人のためにお供えするという観点では、香典と同じ意味合いを持ちます。そのため、供花や供物をおくることで、それとは別にお香典も出さなければならないということはありません。
ただし、故人が親戚であったり、生前とくに親しかったりした場合などはお香典も一緒にお渡しするケースもあります。故人を偲ぶ気持ちが強ければ、両方おくっても良いでしょう。
「兄弟一同」などで供物をおくった場合でも、個別にお香典を持参する方が無難です。
地域の慣習によっては、香典にプラスして供花や供物をおくるのが一般的で、供花・供物だけでは失礼にあたるとされているところもあります。
また、御供花料、御供花物料をお香典と一緒に一つの袋で渡すのはマナー違反です。受付や会計での対応に困りますので、必ず御供花料・御供物料はお香典とは別の不祝儀袋に入れて渡す必要があります。
間違えやすい例として、供花を手配した方が「代金をお支払いしたい」と受付にいらっしゃることがあります。その場合は、葬儀社のスタッフの方へご相談いただくと良いでしょう。
供花・供物をお供えくださった方の記録について
参列者からの供花や供物には、おくり主の名札がついていることがほとんどです。後でお礼をする際に、供物帳を用意して名前を記録しておくと良いでしょう。
弊社の「葬儀受付代行サービス」では、お香典はもちろんのこと、供花・供物、御供花料、御供物料をお供えくださった方々、会葬者の方々のお名前、ご連絡先を記載した「葬儀記録書」を作成し、CDと共にお渡しさせていただいております。
CDデータは、宛名ソフトの住所録にそのままアップロードできますので、喪中はがきやお礼状の作成、お礼の品をお送りする際にとても役立つと、大変ご好評をいただいております。
弊社の「葬儀受付代行サービス」では、お香典はもちろんのこと、供花・供物、御供花料、御供物料をお供えくださった方々、会葬者の方々のお名前、ご連絡先を記載した「葬儀記録書」を作成し、CDと共にお渡しさせていただいております。
CDデータは、宛名ソフトの住所録にそのままアップロードできますので、喪中はがきやお礼状の作成、お礼の品をお送りする際にとても役立つと、大変ご好評をいただいております。
まとめ
供花や供物は、宗教や地域の風習による違いがありますので、葬儀を担当している葬儀社にお願いするのが一般的です。
ご親族の分は喪家が注文を取りまとめることが多いので、訃報の連絡を受けた際に注文するか、親族間で相談してから決めます。友人や仕事上の付き合いの方は、直接葬儀社に依頼しましょう。いずれにしましても、喪家は通夜前、非常に慌しい状況です。喪家に相談の電話をかけることは、控えるのが良いでしょう。
また、祭壇の回りが寂しくならないように、果物などの籠盛りを子供一同、供花を孫一同からのお供えとするなど、バランスを考慮して遺族の間で相談し決めるのが良いでしょう。供物、供花の種類やおくり方をきちんと学んだ上で、大切な方の最期のセレモニーで望む形の弔意を表したいものですね。
ご親族の分は喪家が注文を取りまとめることが多いので、訃報の連絡を受けた際に注文するか、親族間で相談してから決めます。友人や仕事上の付き合いの方は、直接葬儀社に依頼しましょう。いずれにしましても、喪家は通夜前、非常に慌しい状況です。喪家に相談の電話をかけることは、控えるのが良いでしょう。
また、祭壇の回りが寂しくならないように、果物などの籠盛りを子供一同、供花を孫一同からのお供えとするなど、バランスを考慮して遺族の間で相談し決めるのが良いでしょう。供物、供花の種類やおくり方をきちんと学んだ上で、大切な方の最期のセレモニーで望む形の弔意を表したいものですね。