グリーフケアという言葉を目にされたりお聞きになったことはありますか?「グリーフ(grief)は悲嘆であり、その傷を治す(care)こと」との定義があります。
私達が葬儀の受付をさせていただく際、悲しみの中にいらっしゃるご遺族の方々にどのように接したら良いのかと常に考えます。
グリーフケアはどういったものなのか、私達ができるグリーフケアとは・・・調べてみました。
グリーフケアの意味
愛する人や大切な方を突然失うと、人は心に大きな傷を負います。その傷は強い悲嘆(grief)によるものであり、傷を治す(care)ためには、中長期的に段階を踏んで悲しみから立ち直らせるようにサポートしていく必要があります。これをグリーフケアと呼びます。
悲嘆ケア・遺族ケアとも呼ばれています。
悲嘆ケア・遺族ケアとも呼ばれています。
グリーフケアのプロセス
ドイツの哲学者、アルフォンス・デーケンが提唱した「悲嘆のプロセス」では、悲嘆から立ち直りまでの過程を12段階に分けて説明しました。ここでは大まかに4つに分けて説明します。
立ち直る際に大切なことは、同じ体験を持つ人が他にもいることに気付くことなので、グリーフケアを行う方は「このプロセスをみんな辿っているからあなただけではない」と伝え、ゆっくりと時間をかけながら接していくことが必要です。
立ち直る際に大切なことは、同じ体験を持つ人が他にもいることに気付くことなので、グリーフケアを行う方は「このプロセスをみんな辿っているからあなただけではない」と伝え、ゆっくりと時間をかけながら接していくことが必要です。
ショック期~思慮と空虚
愛する人が亡くなったことへのショックが大きく、現実感覚が麻痺し、頭が真っ白な状態になります。
この症状はショックを和らげようとする防御本能で、起きた事実さえ否定するようになります。
この症状はショックを和らげようとする防御本能で、起きた事実さえ否定するようになります。
喪失期~疎外感
故人の死を受け入れることで、極度のパニックを引き起こします。
そして死に至った原因を憎み、やり場のない感情をぶつけるようになります。
とても苦しい時期で、この期間をいち早く抜け出すことがグリーフケアでは大切です。
そして死に至った原因を憎み、やり場のない感情をぶつけるようになります。
とても苦しい時期で、この期間をいち早く抜け出すことがグリーフケアでは大切です。
閉じこもり期~鬱的不調
どうすれば良いのかわからなくなり、あらゆることに無気力になります。
相手に対する過去の行いを悔やみ、自己嫌悪に陥る時期でもあります。
相手に対する過去の行いを悔やみ、自己嫌悪に陥る時期でもあります。
再生期~適応・対処の努力
辛い現実を乗り越えようと努力します。その先に笑顔を取り戻し、新しい人生を歩み始めます。
それは以前の自分ではなく、あらゆる経験を乗り越え新たなアイデンティティを持ったまさに成熟した存在となりえます。
それは以前の自分ではなく、あらゆる経験を乗り越え新たなアイデンティティを持ったまさに成熟した存在となりえます。
グリーフケアの種類
グリーフケアは現実を受け入れ、また新たな人生を歩むきっかけとなります。
ここではグリーフケアの種類をいくつかご紹介しましょう。
ここではグリーフケアの種類をいくつかご紹介しましょう。
故人について語り合う
故人について家族や仲間と語り合うことで、自分の抱いている感情に整理がつきます。
また故人を思い浮かべ手紙を書いたり、故人の思い出の写真を見たりするのも効果的と言われています。時間はかかりますが、ゆっくり気持ちを整理していくことがグリーフケアとして大切なことです。
身内や知り合いに直接思いをぶつけるのが苦手な人であれば、同じような境遇で大切な人を亡くした人が集まり、思いを話す会に参加するのも良いでしょう。
また故人を思い浮かべ手紙を書いたり、故人の思い出の写真を見たりするのも効果的と言われています。時間はかかりますが、ゆっくり気持ちを整理していくことがグリーフケアとして大切なことです。
身内や知り合いに直接思いをぶつけるのが苦手な人であれば、同じような境遇で大切な人を亡くした人が集まり、思いを話す会に参加するのも良いでしょう。
お別れの儀式を行う
葬儀やお別れ会を行う事で、故人の死を現実として受け入れることができます。この時に、しっかり涙を流し悲しむことが大切です。強がる必要はなく、悲しむことこそが人の感情として自然であると理解しましょう。
セレモニーを行う場合に最も重要なのは、決して感情を押し殺さないことです。感情を押し殺せば押し殺すほど、悲しみを乗り越えることから遠ざかってしまいます。
ケアを必要とする方が周囲の視線を気にして平常心を保とうとしないように、悲しみの気持ちを素直に吐き出せるようにサポートしてあげることが大切です。
セレモニーを行う場合に最も重要なのは、決して感情を押し殺さないことです。感情を押し殺せば押し殺すほど、悲しみを乗り越えることから遠ざかってしまいます。
ケアを必要とする方が周囲の視線を気にして平常心を保とうとしないように、悲しみの気持ちを素直に吐き出せるようにサポートしてあげることが大切です。
遺品整理・納骨
故人の遺品を整理したり、納骨も一つの区切りとなります。
ただし遺品の整理にはエネルギーが費やされますので、サポートが必要になる場合は無理のないよう業者などを検討するのも良いかもしれません。
ただし遺品の整理にはエネルギーが費やされますので、サポートが必要になる場合は無理のないよう業者などを検討するのも良いかもしれません。
専門家に相談する
グリーフケアは家族や友人など身近な人に行う事が多いですが、身近な方にも感情が出せなかったり、非常に強い絶望感や不安にさいなまれている状態の方であれば、専門家に相談する方法もあります。
全国にはグリーフケアを専門にしたカウンセラーやアドバイザーがいます。同じような経験をされた専門家も在籍しており、悲しみに寄り添ってくれます。自分だけで抱え込まず相談することが大切です。
全国にはグリーフケアを専門にしたカウンセラーやアドバイザーがいます。同じような経験をされた専門家も在籍しており、悲しみに寄り添ってくれます。自分だけで抱え込まず相談することが大切です。
グリーフケアの注意点
グリーフケアを行う際にはいくつかの注意点がありますが、特に重要な点は以下の通りです。
無理な励ましはNG
グリーフケアで大切なことは、その人が悲しみと向き合い、自身でけじめをつけることです。無理に励ましたり勇気づけをしても解決には至りません。まずはお互いの信頼関係の中で寄り添ってあげることが大切なのです。
特に身近な人が悲嘆に暮れている場合は、心配のあまり「何か食べた方がいい」、「そんなに泣いてもあの人は戻らない」など前向きな言葉かけをしてしまいがちなので気を付けましょう。「食べなくてはいけない」「泣いてはいけない」と思うことはプレッシャーをかけることや悲しみを押し殺してしまうことになります。
相手の状況によっては、どんな声掛けをすれば良いのか戸惑うこともあるかもしれませんが、グリーフケアの原則は相手に感情を吐き出してもらうことです。
まず本人が感情に逆らわずに泣きたいときは泣き、とことん落ち込んで過ごせるようにしてあげましょう。
特に身近な人が悲嘆に暮れている場合は、心配のあまり「何か食べた方がいい」、「そんなに泣いてもあの人は戻らない」など前向きな言葉かけをしてしまいがちなので気を付けましょう。「食べなくてはいけない」「泣いてはいけない」と思うことはプレッシャーをかけることや悲しみを押し殺してしまうことになります。
相手の状況によっては、どんな声掛けをすれば良いのか戸惑うこともあるかもしれませんが、グリーフケアの原則は相手に感情を吐き出してもらうことです。
まず本人が感情に逆らわずに泣きたいときは泣き、とことん落ち込んで過ごせるようにしてあげましょう。
アルコールや精神安定剤に依存させない。
高ぶった感情を抑えるには、アルコールや精神安定剤が有効のように思うかもしれません。しかしそれは表面的な感情を鈍らせただけで、逆に依存を促してしまいます。感情を抑え込む原因にもなりますので、依存させないように気を付けましょう。
まとめ
悲しみは突然にやってくることが多く、心の準備もできていない状況です。遺族が心理的、社会的に孤立しないようにグリーフケアが求められてきています。
グリーフケアは人を悲嘆から救い、心理的身体的に立ち直っていくまでサポートする取り組みのことです。愛する人の死で強く悲嘆したときは、感情を抑え込まず、しっかり悲しみ周囲に頼ることも大切です。
グリーフケアの一つとして葬儀やお別れのセレモニーを執り行うことはとても大切なことだと感じました。そして、私達が葬儀の受付をお手伝いさせていただく上でできること、故人とのお別れの場でご遺族に寄り添う気持ちを大切にし、サポートさせていただくことであると・・・
ご遺族皆様のご負担が少しでも軽減されるよう、葬儀の受付・会計・葬儀記録書の作成をさせていただきます。ご不明な点はぜひお問い合わせください。
グリーフケアは人を悲嘆から救い、心理的身体的に立ち直っていくまでサポートする取り組みのことです。愛する人の死で強く悲嘆したときは、感情を抑え込まず、しっかり悲しみ周囲に頼ることも大切です。
グリーフケアの一つとして葬儀やお別れのセレモニーを執り行うことはとても大切なことだと感じました。そして、私達が葬儀の受付をお手伝いさせていただく上でできること、故人とのお別れの場でご遺族に寄り添う気持ちを大切にし、サポートさせていただくことであると・・・
ご遺族皆様のご負担が少しでも軽減されるよう、葬儀の受付・会計・葬儀記録書の作成をさせていただきます。ご不明な点はぜひお問い合わせください。