日本の葬儀のしきたりは、宗教や地域ごとに様々なものがあることを、以前のブログでご紹介させていただきました。
弊社がお手伝いさせていただく葬儀は、東京都近辺が多いのですが、東京都にも独自の葬儀でのしきたりがあります。
今回は、東京都の葬儀のしきたりや風習について、いくつかご紹介させていただきます。
東京都の葬儀のしきたりと風習
後火葬(あとかそう)
東京都の葬儀は、ほとんどが葬儀後に出棺し火葬をする「後火葬」です。「通夜→葬儀・告別式→火葬→繰り上げ初七日・忌中払いの会食」が、一般的なお葬式の流れとなっています。前火葬が、一般的になっている地域の方が参列されると、式場内に棺があってびっくりされることもあるようです。
火葬場が、一週間先まで埋まっていることも珍しくないため、亡くなってからお葬式までの間、故人は自宅または火葬場に併設されている冷蔵保管庫や、葬儀社の安置施設などで安置します。特に年末は混み合っていて、お葬式まで10日以上待たなければならないということも起こります。この場合は、初七日は繰り下げて行います。
※前火葬・骨葬…事前もしくは通夜終了時に火葬を済ませ後日お葬式を行う
火葬場が、一週間先まで埋まっていることも珍しくないため、亡くなってからお葬式までの間、故人は自宅または火葬場に併設されている冷蔵保管庫や、葬儀社の安置施設などで安置します。特に年末は混み合っていて、お葬式まで10日以上待たなければならないということも起こります。この場合は、初七日は繰り下げて行います。
※前火葬・骨葬…事前もしくは通夜終了時に火葬を済ませ後日お葬式を行う
通夜への参列者が多い
「通夜は、家族や親族だけで行うもの。告別式は、一般の方が故人と最期のお別れをする時間。」というのが一般的ですが、東京都のお葬式の場合、参列者の多くは仕事の後でも参列しやすいという理由で、通夜に焼香に行く方がほとんどです。(通夜開始時間は、午後6~7時が一般的です。)
通夜ぶるまいや返礼品の特徴
通夜参列後は、通夜ぶるまいの飲食に案内されます。通夜ぶるまいは、西日本や関西圏のように親族だけで食事をするのではなく、焼香に訪れた一般の参列者にも振る舞います。オードブルやお寿司などが主流ですが、食事をすることが供養とされているので、参列者は一口でも口にすることがマナーです。ただ、長居はせず、30分~1時間を目途に退席します。23区の通夜ぶるまいは着席が多く、都下の場合は立食が多いようです。
通夜ぶるまいの料理は、殺生を連想させるため生ものを避けて巻き寿司などを出すことが多かったのですが、最近はそういったことにとらわれずにお寿司を振る舞うことも増えています。しかし、最近はコロナ禍のため感染防止対策から通夜ぶるまいを省略し、代わりに折詰弁当等を準備するご遺族様が多いようです。
また、返礼品は香典返しを兼ねる即返しが多いです。弊社では、一律ではなく香典金額によって異なる返礼品をお渡しする葬儀の受付にも対応をしています。
→「返礼品について」詳しくはこちら
通夜ぶるまいの料理は、殺生を連想させるため生ものを避けて巻き寿司などを出すことが多かったのですが、最近はそういったことにとらわれずにお寿司を振る舞うことも増えています。しかし、最近はコロナ禍のため感染防止対策から通夜ぶるまいを省略し、代わりに折詰弁当等を準備するご遺族様が多いようです。
また、返礼品は香典返しを兼ねる即返しが多いです。弊社では、一律ではなく香典金額によって異なる返礼品をお渡しする葬儀の受付にも対応をしています。
→「返礼品について」詳しくはこちら
全骨収骨(ぜんこつしゅうこつ)
東京では、全骨収骨(ぜんこつしゅうこつ)の風習があります。火葬した骨を全て骨壺に納めます。骨がしっかり残っている場合、一番大きな骨壺でも収まりきらないので、砕いて収骨します。骨を砕いて入れる作業は、初めて全骨収骨を経験される方にとって、痛々しく見えるように感じることがあるようです。全骨収骨に抵抗のある方は、事前に、葬儀社の担当へ「入りきらない骨は、無理に納めなくて結構です。」と伝えることをお勧めします。
一方、関西では頭部や喉仏、腕、胸などの主要な骨だけを拾う部分収骨です。そのため、関東と関西では骨壺の大きさが異なります。
一方、関西では頭部や喉仏、腕、胸などの主要な骨だけを拾う部分収骨です。そのため、関東と関西では骨壺の大きさが異なります。
東京都出身でない方の葬儀に参列する場合の注意点
全国から人が集まる東京都では、故人の出身地の作法に合わせたお葬式が行われることも珍しくありません。香典の出し方、焼香の仕方、服装などが異なることも多々ありますので、故人の出身地や親戚が多く住んでいる地域などについて、親しかった人に確認しておくと良いでしょう。
民間の火葬場が多い
東京都の火葬場は26ヶ所ありますが、他の地域に比べ民間の火葬場が多いのが大きな特徴です。その内訳は、23区内9ヶ所、都下9ヶ所、諸島8ヶ所となっていますが、都内の公営は2ヶ所(江戸川区の瑞江と大田区の東海)で、他の7ヶ所は民間企業の運営です。
火葬場不足解消のために、自治体が公営火葬施設を建設しようとしても、住民の反対運動などでなかなか実現しないこともあり、民間に頼らざるをえません。そんな東京都では、田舎から呼び寄せていた親が亡くなった場合など、東京で火葬だけを行い、後日地元の田舎で骨葬を行うという例も数多く見られます。
火葬場不足解消のために、自治体が公営火葬施設を建設しようとしても、住民の反対運動などでなかなか実現しないこともあり、民間に頼らざるをえません。そんな東京都では、田舎から呼び寄せていた親が亡くなった場合など、東京で火葬だけを行い、後日地元の田舎で骨葬を行うという例も数多く見られます。
地域によって残る葬儀のしきたりについて
稲城市・多摩地域
火葬場から戻ったら、逆さに置かれた臼に腰掛けて、お清めの塩と手洗いを行います。臼が無い場合には、臼の絵を描いた半紙を逆さにし、椅子に貼り付けて腰を掛けます。これは、「逆さ臼」といわれるしきたりです。
お祝い事で使う「臼」を逆さにすることで弔事を表し、しきたりの意味は「現世では、あなたが食べる物はもうありません。迷わず、あの世へ逝ってくださいね。」と故人に伝えることのようです。
近年では省略されてきていますが、篭を編んで作り(直径50cmくらい)そこに山盛りの団子(枕団子と同じ物)を入れ仏前に供えていました。篭は、墓地へ向かう葬列の際に、子供たちにその団子を配っていたそうです。
お祝い事で使う「臼」を逆さにすることで弔事を表し、しきたりの意味は「現世では、あなたが食べる物はもうありません。迷わず、あの世へ逝ってくださいね。」と故人に伝えることのようです。
近年では省略されてきていますが、篭を編んで作り(直径50cmくらい)そこに山盛りの団子(枕団子と同じ物)を入れ仏前に供えていました。篭は、墓地へ向かう葬列の際に、子供たちにその団子を配っていたそうです。
あきる野市日ノ出町
お通夜は通常通り行いますが、告別式は朝、火葬してから行う場合があります。
瑞穂町
お通夜へ参列された方に、清酒に砂糖やお茶をセットにしたお清めのセットを配ることが多いようです。
東京都の平均葬儀費用
東京都は他の府県と違い、住宅事情の問題や家族構成の問題で自宅で葬儀を行うことが極端に減っています。参加する人数や形式、控室や会場の広さ、通夜ぶるまいの有無、返礼品の有無によって葬儀費用が変わりますが、東京都の平均葬儀費用は約213万円といわれ、全国の平均葬儀費用180万円より高くなってしまう傾向にあります。
どのようなお葬式にしたいか、じっくり葬儀社と相談することが求められます。
どのようなお葬式にしたいか、じっくり葬儀社と相談することが求められます。
まとめ
東京都は地方出身者が多いので、地域性が混ざり合い、独自の葬儀のしきたりが生まれたようです。
昨今、東京都では核家族が増え、また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も加わり、一般の方を呼ばない近親者のみで執り行われる家族葬が主流になっています。また、通夜を執り行わずに、葬儀・告別式から火葬までを一日で済ませる一日葬も年々増加傾向にあります。
東京都に限らず、これからの葬儀は、より自由な選択肢を組み合わせた葬儀が増えると予想されますが、葬儀に参列する際は、葬儀の形態やしきたり、風習等を確認しておくことが大切だと思います。
弊社スタッフは、様々な形態の葬儀に対応できるスキルを身に付けております。葬儀の受付において、心を込めてできることをご遺族様と常に模索しながら、大切な故人様との最期のお別れのお手伝いをさせていただきたいと思います。
昨今、東京都では核家族が増え、また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も加わり、一般の方を呼ばない近親者のみで執り行われる家族葬が主流になっています。また、通夜を執り行わずに、葬儀・告別式から火葬までを一日で済ませる一日葬も年々増加傾向にあります。
東京都に限らず、これからの葬儀は、より自由な選択肢を組み合わせた葬儀が増えると予想されますが、葬儀に参列する際は、葬儀の形態やしきたり、風習等を確認しておくことが大切だと思います。
弊社スタッフは、様々な形態の葬儀に対応できるスキルを身に付けております。葬儀の受付において、心を込めてできることをご遺族様と常に模索しながら、大切な故人様との最期のお別れのお手伝いをさせていただきたいと思います。